「中高年のセックスを考えるフォーラム」
有田 治
◆病院の現場から
介護施設や病院などで老人たちのお世話をする側の人々は、“高齢者の性”をどう見ているのか?
東京都内の病院で看護士として勤めるA子さん(36歳)はこう語る。
「入院されている高齢の患者さんの中には、私のお尻や胸を触るタイミングを計っている方もいます。朝の検温のときに下のパジャマの膨らんだ“アソコ”を自慢げに見せびらかす方もいて困ります。元気なのは喜ばしいのですが…今はもう慣れました。」
A子さんは病院で長く勤務する中で、「性=生」を強く認識させられた事が多々あるという。一例を紹介しよう。
B雄さん(65歳)は、脳梗塞で右半身が麻痺していた。
A子さんがベッドの左側に立つと、決まってお尻に手を伸ばしてくる。もちろん自由のきく左手でだ。それでA子さんは右側だけに立つようになった。
今までリハビリには全く関心を示さなかったB雄さんだったが、A子さんが右側に立ち始めると健気にも右手を動かそうとする。
“A子さんのお尻に触りたい”という不純な目的(犯罪的とも言えるが)のために必死にリハビリに取り組みはじめた。
A子さん曰く「最初はね、意地悪のつもりでぎりぎり手の届かない所に立っていたんです。すると日に日に手が近づいてきました。それで私の気持ちも少しずつ変化してきたのです。
それからは“意地悪”からではなくB雄さんのリハビリのために私の立つ位置や距離を色々変えてみました。
ある日、彼の手が私のお尻に触れたんです。私はちょっとビックリしてB雄さんの顔を振り返ると彼は笑っていました。『とうとうやったぞ!』というような誇らしげな笑顔でした。
私もつい『おめでとうございます』と笑顔で応えてしまいました。」
結果的にB雄さんの右腕はほぼ自由に動くなったという。
少々不純に思えるかも知れないが、高齢と言えども「性」に対する想いが不自由をも克服する力を持っていることに改めて驚かされた。
(つづく)
|
3.恋の力でリハビリに励む |
団塊シニアのSEX事情 |
5.性的関心は一生涯の課題である |


