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トップ  >  糖尿病で日本は滅びる  >  3.糖尿病の末路は生ける屍


「糖尿病の末路は生ける屍」
医療ジャーナリスト 長谷川淳一

糖尿病は痛くも痒くもない。しかし糖尿病性合併症は恐ろしい。

糖尿病の怖さはその合併症にある。糖尿病の合併症は大きく分けて3つあり、発症する順でいうと神経障害、次に腎症、そして最に網膜症と来る。神経・腎臓・目に障害が発生するのだ。(この順番には個人差がある)

現在糖尿病と診断された患者の内、既に合併症を発症してしまった人はどれくらいいるのだろうか。神経障害はなんと70%の糖尿病患者に発症していて、腎臓と網膜に異常を来している患者は各々30%程度いると言われている。

神経障害の初期は手足のしびれ、足の裏の違和感などがあるが、中期になると痛みが強くて眠れないケースも出てくる。しかし神経障害の末期になると、しびれや強い痛みから解放される。これは神経が機能しなくなったからで、痛みや温度さえも感じなくなり、足をライターの火で炙っても苦痛を感じないほどだ。こうなってしまうと足は腐ってきて、命を取り留める方法は切断するしかない。

網膜症は最悪失明にいたってしまうが、その過程に特に前兆はない。徐々に視力が落ちてきて失明にいたるのではなく、ある日突然眼底出血を起こして全く見えなくなるケースが多いといわれる。

糖尿病性網膜症はヘモグロビンA1cが8%以上の状態で5年過ぎれば半数の人に発症し、10年も過ぎればほぼ100%の糖尿病患者に発症する。日本では毎年4,000名もの人が糖尿病性網膜症によって失明している。

糖尿病性腎症の初期は尿に微量のタンパク質が混じるようになる。自覚症状はない。進行とともに尿蛋白の量は増え、末期には腎臓が血液濾過の機能を果たせなくなり、人工透析が必要になる。透析は週に3回ほど、1回に3時間くらいかかる大変な治療だ。

糖尿病性腎症から人工透析にいたった患者の「5年生存率」は残念ながら50%以下だ。

糖尿病を放置すると、心身共にボロボロの生活が待っている。糖尿病から発症した歯槽膿漏によって歯は抜け落ち、腎臓の機能は失われ定期的に機械で全血液を濾過しながらも、目は見えず自分の姿を鏡で確認することも出来ない。片足は壊疽(えそ)によって膝から下を切断。

これは実際にあった糖尿病患者の姿である。

糖尿病の合併症は一旦発症してしまうと驚くほど進行がはやい。症状が悪化すると回復がとても困難だ。

静かに歩み寄る糖尿病を早期に発見し対策を立てる必要性を実感していただけただろうか。ここまで末恐ろしい話をしたが、しっかりとした対応策に従えば本当のところ糖尿病は克服できる。

(つづく)

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