日高健
人はいつかは死ぬ。
祖父母、両親、そして自分と…自然の摂理に従った順序で逝くとは限らない。
中でも親が自分の子供の葬儀を出すことほど痛々しい光景はない。
中高年を境に「オレが死んだら…」と考えることが多くなった。死生観や死んだ後の葬儀、法事、墓などの様式は、それぞれの人が持っている宗教や哲学によって違うだろう。
私は無神論者で、「人間、死ねば土に帰るだけ」と考えている。
子供達には…
「葬式はやってもやらなくても、どちらでもいい。お前達の納得いくようにすればいい。
見栄を張って盛大な葬儀なんてやったら呪ってやる。
葬式を挙げてもいいが、坊主は呼ぶな。お経がないと"間が持たない"というのなら俺のCDコレクションを引っ張り出してBGMとして流せ。死ぬ前に録画しておいた俺の挨拶映像を流せばなお良い。
参列者に意味不明のお経を聞かせる時間があるのなら、お前たちが一人ずつ父に対する思い出話でもしろ。
墓はいらない。お前達が心の安寧を求めてお参りする場所が欲しいと思うのなら無縁仏の墓や永代供養墓に埋葬すれば良い。いろんな人と一緒に墓に入って"あの世"で楽しく暮らしていると思え。
戒名は断固拒否する。坊主に戒名なんぞを依頼したらお前たちを呪ってやる。
命日に法事はいらぬが、お前たちや家族が集まってメシでも食う機会だと考えるのならそれも良し…」
と常日頃から言い聞かせている
しかし、いくら私が遺言書に「葬儀は不要」と書いても無効だそうだ。民法上、遺言により規定できる法律関係は、民法に明文のある認知、遺贈、寄付行為、相続分の指定などだけ。その他の記載事項には法律上の効力がない。葬儀やお墓に関する決定権は遺族にある。
葬儀は家族や自分と関わってきた人たちのためにあると考えた方がよさそうだ。
死に方によっては家族や周囲の人々にとって大きな出来事となるだろう。
遺族や関係者らはもしかしたらお葬式をしてお別れをしたいと思うかもしれない。私の勝手で家族や友人が後悔したり、家族が他の親戚や関係者から非難されるかもしれない…。
しかし私が死んだらどういう風に「処置」されるのだろうか?
料金は?
さて、人が死んだら費用はいくらかかるのだろうか?
こんな質問をすると葬式のプロである葬儀社は決まってこう言う。
「様式や規模によって千差万別ですので"相場"というのはございません。」
では、最低いくらかかるのだろう?
死亡届後の火葬許可証さえ整っていれば葬儀なしで火葬はできる。最低限の費用だが、病院で書いてもらう死亡診断書作成費が約4,000円(金額は病院の自由裁量)、病院から自宅、自宅から火葬場への搬送料が12,000円×2回で24,000円だが、自分の車で運べば無料(霊柩車を使うと価格2倍)。
遺骸安置用布団は約3万円だがこれも自分の布団を使えば無料。
棺代金はピンキリで、彫刻を施して漆を塗った最高級品なら250万円、最低の棺桶でも 1~2万円はするが、ブルーシートなら500円。
葬儀屋にとって棺桶は粗利90%のおいしい商材だ。最近米国では環境に優しい段ボール製の棺桶が出た。できれば私はこれに入りたい。
遺骸保管用のドライアイスが24時間分(約10kg)で15,000円。
火葬代金は自治体によって違うがおよそ15,000円、これは法律上自宅の庭ではできない。遺骨を保管する骨壺(木箱と風呂敷含む)は火葬場の売店で約 10,000円で販売されているが、別に普通の容器でも構わない。
合計すると全部自前でやるなら5万円以内、葬儀屋に依頼すれば30万円程度となる。
国民健康保険加入者が死亡すると葬祭費として5~7万円が支給され、社会保険加入者なら1カ月分の給与相当額(最低10万円)が支払われる。
上記の最低限の費用さえも負担せずに、社会の役に立つ方法がある。
それは生前に本人が大学病院に献体を申し込むことだ。献体すれば遺体の引き取りから火葬まですべて病院がやってくれる。ただし、お骨が帰ってくるのは半年から2年後になる。
遺骨はどうするか?
海に散骨する人が増えているが、小船のチャーターとなると10万円以上は必要。
お墓を購入するとなると 200万円以上は必要。
永代供養は10万円~30万円で受けてもらえる。
遺骨を自宅などに保管する「手元供養」なら無料だ。
色々と供養の仕方はあるが、悲しみに暮れる遺族が一々自分で手配して処理するのはとても大変なことだ。
それで一括して葬儀屋さんに依頼することになる。葬儀屋さんに頼んで「フツーの葬儀」を行えばざっと200~300万円はかかるだろう。もちろんお墓代は別途。
しかしいくらこの様に算盤をはじいてみたところ、死んだ後は遺族に任せるしかないのだが…。
(終わり)
人はいつかは死ぬ。
祖父母、両親、そして自分と…自然の摂理に従った順序で逝くとは限らない。
中でも親が自分の子供の葬儀を出すことほど痛々しい光景はない。
中高年を境に「オレが死んだら…」と考えることが多くなった。死生観や死んだ後の葬儀、法事、墓などの様式は、それぞれの人が持っている宗教や哲学によって違うだろう。
私は無神論者で、「人間、死ねば土に帰るだけ」と考えている。
子供達には…
「葬式はやってもやらなくても、どちらでもいい。お前達の納得いくようにすればいい。
見栄を張って盛大な葬儀なんてやったら呪ってやる。
葬式を挙げてもいいが、坊主は呼ぶな。お経がないと"間が持たない"というのなら俺のCDコレクションを引っ張り出してBGMとして流せ。死ぬ前に録画しておいた俺の挨拶映像を流せばなお良い。
参列者に意味不明のお経を聞かせる時間があるのなら、お前たちが一人ずつ父に対する思い出話でもしろ。
墓はいらない。お前達が心の安寧を求めてお参りする場所が欲しいと思うのなら無縁仏の墓や永代供養墓に埋葬すれば良い。いろんな人と一緒に墓に入って"あの世"で楽しく暮らしていると思え。
戒名は断固拒否する。坊主に戒名なんぞを依頼したらお前たちを呪ってやる。
命日に法事はいらぬが、お前たちや家族が集まってメシでも食う機会だと考えるのならそれも良し…」
と常日頃から言い聞かせている
しかし、いくら私が遺言書に「葬儀は不要」と書いても無効だそうだ。民法上、遺言により規定できる法律関係は、民法に明文のある認知、遺贈、寄付行為、相続分の指定などだけ。その他の記載事項には法律上の効力がない。葬儀やお墓に関する決定権は遺族にある。
葬儀は家族や自分と関わってきた人たちのためにあると考えた方がよさそうだ。
死に方によっては家族や周囲の人々にとって大きな出来事となるだろう。
遺族や関係者らはもしかしたらお葬式をしてお別れをしたいと思うかもしれない。私の勝手で家族や友人が後悔したり、家族が他の親戚や関係者から非難されるかもしれない…。
しかし私が死んだらどういう風に「処置」されるのだろうか?
料金は?
さて、人が死んだら費用はいくらかかるのだろうか?
こんな質問をすると葬式のプロである葬儀社は決まってこう言う。
「様式や規模によって千差万別ですので"相場"というのはございません。」
では、最低いくらかかるのだろう?
死亡届後の火葬許可証さえ整っていれば葬儀なしで火葬はできる。最低限の費用だが、病院で書いてもらう死亡診断書作成費が約4,000円(金額は病院の自由裁量)、病院から自宅、自宅から火葬場への搬送料が12,000円×2回で24,000円だが、自分の車で運べば無料(霊柩車を使うと価格2倍)。
遺骸安置用布団は約3万円だがこれも自分の布団を使えば無料。
棺代金はピンキリで、彫刻を施して漆を塗った最高級品なら250万円、最低の棺桶でも 1~2万円はするが、ブルーシートなら500円。
葬儀屋にとって棺桶は粗利90%のおいしい商材だ。最近米国では環境に優しい段ボール製の棺桶が出た。できれば私はこれに入りたい。
遺骸保管用のドライアイスが24時間分(約10kg)で15,000円。
火葬代金は自治体によって違うがおよそ15,000円、これは法律上自宅の庭ではできない。遺骨を保管する骨壺(木箱と風呂敷含む)は火葬場の売店で約 10,000円で販売されているが、別に普通の容器でも構わない。
合計すると全部自前でやるなら5万円以内、葬儀屋に依頼すれば30万円程度となる。
国民健康保険加入者が死亡すると葬祭費として5~7万円が支給され、社会保険加入者なら1カ月分の給与相当額(最低10万円)が支払われる。
上記の最低限の費用さえも負担せずに、社会の役に立つ方法がある。
それは生前に本人が大学病院に献体を申し込むことだ。献体すれば遺体の引き取りから火葬まですべて病院がやってくれる。ただし、お骨が帰ってくるのは半年から2年後になる。
遺骨はどうするか?
海に散骨する人が増えているが、小船のチャーターとなると10万円以上は必要。
お墓を購入するとなると 200万円以上は必要。
永代供養は10万円~30万円で受けてもらえる。
遺骨を自宅などに保管する「手元供養」なら無料だ。
色々と供養の仕方はあるが、悲しみに暮れる遺族が一々自分で手配して処理するのはとても大変なことだ。
それで一括して葬儀屋さんに依頼することになる。葬儀屋さんに頼んで「フツーの葬儀」を行えばざっと200~300万円はかかるだろう。もちろんお墓代は別途。
しかしいくらこの様に算盤をはじいてみたところ、死んだ後は遺族に任せるしかないのだが…。
(終わり)
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